家計の見直しの記事なんかで、必ずと言っていいほど見直し対象として取り上げられるのが保険料です。
ただ、この保険というものの必要性は、家族や資産、収入の状況によって全く異なるので、なかなかやっかいです。
私の場合、働き出してからこれまで四半世紀にわたり、様々な保険に入ったり、やめたりを繰り返してきましたが、一応、大企業を退職した30歳以降は、かなりの節約志向で保険を厳選してきました。
その過程を振り返りながら、現在の保険の見直しを行いたいと思います。
目次
1.生命保険
20代前半で最初の就職をして入ったのが、生命保険です。
もちろん、会社に出入りされていた保険のお姉さんに引っかかってのことです(^^;)。
今思えば、何も知らない新入社員を手ぐすねひいてお待ちになっていたのですよね。
オフィスは今ほどセキュリティーも厳しくなかったですし、先輩達も私たちの個人情報を簡単に保険のお姉さんに漏らすことに罪悪感は持っていませんでした。
もう、やりたい放題の時代でしたねぇ。
保険のお姉さん(私の場合はおばさんでした)の説得の文句は、
「あなたに何かあった時に、ご両親にせめてもの恩返ししたいと思わない?」
「税金が安くなる制度があるから、保険に入ってその分を使わないのは損よ。」
でした。
今考えても、元気で働いている両親のための生命保険は必要はありませんし、節税とは言っても一般庶民の給料では税率もたいしたことなく、その額は吹けば飛ぶようなものだったのですよ。
ただ、あの時代は、インターネットはなく、金融の知識も、税金の知識も簡単に入手できるものではありませんでした。
言われるがままに、「そうかも・・・」と思って、保険のお姉さんが作ってくれたモデルのままで契約していました。
まあ、医療保険の特約も付けてくれて「この保険だけで大丈夫よ」とそれ以外の保険は勧められませんでしたし、バブル期の利率のおかげで(?)退職時に解約したときにはそこそこの返戻金もあったので、すっごく損したという訳ではありません(と思ってます)。
現在は、生命保険には個人では入っていませんし、今後も入らないですね。
両親や兄弟に残す必要がない環境なのが大きいです。
子育て中の方や、独身であってもご両親や兄弟の行く末が心配な方は、検討する必要があるかと思います。
2.医療保険
零細企業に転職して、社員寮もなくなり、給料も下がった私は、節約生活を余儀なくされました。
なので、医療保険には入りませんでした(笑)。
必要無い生命保険に入っていたくせに、貧乏になったからと医療保険にも入らないなんて・・・と考え無しの様に思われがちですが、私には一応、計算がありました。
零細企業と言えども会社員でしたので、高額療養費制度や傷病手当の制度に守られている立場にありました。
それに加え、親が私名義で保険をかけていました。
色々調べた結果、まあ、最低限、どうにかなるだろうという判断に至ったわけです。
ちょっと脱線しますが・・・、「貧すれば鈍する」という言葉もありますが、体が元気でさえあれば「貧すれば行動する」というのもあるかなと思います。
節約生活を余儀なくされた結果、上の様に医療制度などについて調べるようになりました。
また、後に、私は異分野の勉強をするために会社員という立場を捨てるのですが、その際利用させてもらったのが国民健康保険と国民年金の支払額の減免制度です。
退職後、国民健康保険の請求金額を見てびっくりしました私は、どうしたものかと、すぐに役所に相談に行きました。
すると、窓口の担当者の方が親身に相談にのってくれて、減免の手続きをしてもらえました。
しみじみ、日本って良い国だと思いましたよ。
ただし、自ら行動しなければ恩恵を受けられないのです。
「貧した時は、まず行動!これに勝る物は無し!」と思います。
で、話は戻って、現在の状況ですが、医療保険には入っていません。
再度働くようになってから、医療保険に入っていたことがありましたが、高額療養費制度や傷病手当に守ってもらえる立場に戻りましたし、貯蓄もできたので、必要ないとの判断に至りました。
がん保険は、保険適用されていない自由診療の治療を受けることに特化した保険が出た際に、しばらく入っていました。
しかし、親類縁者にがんになった人達がいたのでがんについて調べると、私の場合は自由診療まで行うことになるだろうかと考えてしまいました。
なるべく長生きはしたいですが、シングルですと「子どもが●歳になるまでは生きていたい!」とか切実な欲求はありません。
また、「がんの治療も日進月歩で自由診療の治療が必要となる確率は?」という疑問も生じました。
ということで、随分前にやめてしまったがん保険ですが、先日、NHKスペシャル「がんの治療革命 ~プレシジョン・メディシンの衝撃」という番組を見て、再度、検討を行いました(笑)。
プレシジョン・メディシンとは、ウィキでは「患者の個人レベルで最適な治療方法を分析・選択し、それを施すこと。最先端の技術を用い、細胞を遺伝子レベルで分析し、適切な薬のみを投与し治療を行うこと。」とあります。
副作用も少なく、効果も劇的。
であれば、ぜひ試したいと思うに決まっています。
しかし、あまりにも高額で、とても庶民には手がでません。
NHKスペシャルでは、検査だけで40~100万円、自分に合った薬が見つかって投薬を始めると月額90万円という例が紹介されていました。
う~ん、この財政難では、保険が適用されることもまだまだず~っと先になると予想されるので、格差を見せつけられる治療法になる可能性が・・・。
ということで、庶民の私は、自由診療をカバーしている「SBI損保のがん保険自由診療タイプ」に入ることにしました。
治療費の実費のみを5年間、1000万円限度で保障するというシンプルな構造で、多分、業界最安値です(私がざっと調べただけです)。
自由診療を行う方はがん患者のうちの0.2%というデータもありますが、確率が低くダメージが大きいものにこそ、保険で対応というセオリーで(笑)。
う~ん、この検討を通じて、自分の生への執着の強さを実感しました。
無我の境地どころでは無いですね・・・・。
3.終業不能保険(所得補償保険)
昨年の夏から、終業不能保険に加入しました。
色々とありますが、私が加入したのは、ライフネット生命の「働く人の保険」というやつです。
終業不能保険というのは、読んだ通りに、病気やけがで働けなくなったときに、給付金が受け取れるものです。
会社員の場合、公的な制度として傷病手当がありますが、1年半(540日)で満了です。
障害者となった場合は障害年金がもらえますが、例えば、2級の場合だと障害基礎年金額78万円程度ですし、厚生障害年金も私の場合何の加算(配偶者とか、子どもとか)も無いので2級で基礎年金額と同程度かと思われます。
となると、2級という相当な障害を負ったとしても年収150万円程度となるわけですが、これでは心許ないというわけです。
働けなくなったからといって、必ず障害者に認定されるわけでもなさそうですしね。
この保険では、月額10~50万円程度の範囲で給付金を選べます。
もちろん契約時の収入によって契約可能な金額には限度がありますし、金額が大きくなれば、保険料も増えますし。
公的な支援が途切れた後の保険という位置づけなので、私の場合は、働けなくなった日から180日以降から支給される条件となっています。
保険の払い込み期間および保険期間は65歳まで。
支払総額に限度があり、1億円となっています。
私の年齢ですと、月額を最高の50万円としても、その限度額を超えることは難しそうです(笑)。
今回、このブログを書きながら確認すると新しく「働く人の保険2」が出ていました。
保険の払い込み期間および保険期間は70歳まで選択できるようになっていて、給付金の受け取り方も、傷病手当がもらえる540日までの間は半額という設定も可能となっていました。
見積をすると、今より月額保険料が1,000円近く安くなることがわかりましたので、早速乗り換えることにしました。
新しく入ったがん保険の保険料の半分近くをこれでまかなえます!
乗り換え時には、保険期間は70歳まで、受取方も540日までは半額となるタイプを選択しました。
私たちの世代は、年金の支給も70歳からになっている可能性が高いですし、元気なうちは働き続けるということになるでしょう。
であれば、とりあえず最長期間にしておくことが得策だと考えたからです。
歳を取れば、働き方も変えるでしょうし収入も減ることになるので、給付金の月額は変更を行いながら付き合っていく予定です。
ただし、将来、無事70歳まで働けることになっても、それ以前に解約することになります。
終業不能状態から半年(180日)から1年半(540日)までは半額支給、その後から満額支給という設定ですと、68歳時点で解約しましょうとなりますよね(笑)。
以上、今回は大変長くなりましたが、社会の構造がどんどん変化しますし、保険も新しいものが次々と設計されるので、定期的なチェックは不可欠ですね。
ちなみに、就業不能保険(所得補償保険)と名称が似ている収入保障保険というのがありますが、こちらは被保険者が死亡した際に、残された家族に定期的に給付金が支払われるものです。
アラフィフ・シングルには必要ないです。
合掌