都会で働く生活をしていると、どこに住まうのかというのは生活の根幹にかかわる選択になります。
都会で働いているあたなは、都心に住む派ですか? 郊外に住む派ですか?
私の場合、「現在」は都心に住む派です。
理由としては、自分の時間を確保するためにつきます。
とは言え、2年前までは、郊外に住む派でした。
その時の理由としては、満足できる住空間を得ることができるというものでした。
この選択は、今の自分のモードがどこにあるかで変わってくるものなんだな~と実感しています。
この先もまた変わるかも?
1.郊外に住む派になったきっかけ
都心の築43年のマンションに住んでいた私は、ちょっとばかり人生に疲れてかなり落ち込んだ状態でした。
そんなとき、知人から海の見える新築マンションが賃貸に出されるという情報を得ました。
一度でいいから海の見える部屋に住んでみたいと思っていた私は、その部屋に一目惚れ。
駅に近く、日当たりは抜群、開放的な間取りで、リビング・ダイニング・キッチンからは海が見えるとても素敵なマンションでした。
まるでリゾートホテル!
内見に行った時に、借りることを即決しました。
難点は都心のオフィスからドアツードアで1時間30分かかること。
今までで最もオフィスから遠い場所に住むことになりました。
2.住環境は精神に大きな影響を与えることを実感
新しい部屋で生活をはじめて、すぐに住環境が心理的に大きな影響を与えることを実感しました。
南東の角部屋でしたので、朝から日当たりが良く目覚めもさわやか。
リビングに行くと、海が見える。
かなり疲れて落ち込んでいた私でしたが、みるみるエネルギーがチャージされていくのを感じていました。
週末は、海を散歩して、今までにない過ごし方で楽しんでいました。
お気に入りの部屋なので、1日中家にいても、まったくストレスはありません。
出かける機会は激減しました(笑)。
3.通勤時間をどうするか
どうあがいても、通勤時間を短くすることはできません。
そこで、早朝に出社して座って通勤することにしました。
座れてしまえば、1時間の社内でも全く苦痛ではなく、本や資料を読んだりかなり有意義に過ごせました。
帰りも、フレックスタイムを利用してなるべく早めに退社するようにすれば、座れました。
以前より、本を読む量がぐんと増えて、充実感を感じていました。
遠距離通勤ばんざい!です(笑)。
4.慣れと堕落
そんなこんなで、結局8年、そのマンションに住んだんです。
でも後半は理想的な生活が崩れていました。
まずは通勤時間の問題。
仕事の内容ややり方が変化していき、夜の会合やイベントが増え、フレックスタイムをうまく利用することができなくなりました。
となると座れる時間帯に通勤することができなくなり、グリーン車を利用するようになっていきました。
その出費は日常の経費となってしまったのです。
通勤時間をうまく活用するための経費なら良かったのでしょう。
しかし、夜遅くに帰宅するようになり、自分も年を重ねていますから、疲れがたまるようになっていった結果、せっかくグリーン車で座っても、本を読むことは激減し、爆睡していることが多くなりました。
食生活にも影響が出るようになりました。
家に帰ってから食事を作るのは疲れのあまり無理。
スーパーも閉まっていて冷蔵庫はいつも空っぽ・・・。
仕方なく、グリーン車の中でおつまみや駅弁などで夕食を済ませる回数が増えました。
週末は、平日の疲れを取るためにひたすら寝ることと、スポーツクラブで汗を流すことだけに専念するようになりました。
友人からのお誘いもほぼ断る、週末引きこもりの生活となりました。
こういった変化は一気に生じたわけではありません。
少しずつ、少しずつ変化していったので、自分でも気が付かなかったのです。
最後に都心に戻ることを決心したきっかけは、住環境の変化でした。
私が住み始めてから、少しずつ、海と私の住むマンションの間に、高いビルが増えていきました。
新しいマンションであったり、病院であったり・・・。
8年間にかなりの数が建ちました。
しかし、それも少しずつだったので、しょうがないな~ぐらいですんでいました。
しかし、とうとう、私の住むマンションの目の前に、こちらと同じぐらいの高さのマンションが建つことが決定しました。
海が見える部屋が、海がのぞける部屋になってしまうことが決定したのです(涙)。
かなりショックでしたが、それがきっかけでその時の生活を見直し、都心に戻ることを決めることができました。
私が引っ越しをした当日、目の前のマンションは4階まで建ち上がっていました。
今思い出しても、住み始めた当初のあの部屋は最高でした。
私の人生の中でも、最高の部屋の一つとなることは間違いないでしょう。
しかし、あらゆるものは変化していく。
私も、部屋も、8年の歳月の中で変化して、マッチしなくなっていたのですね。